ろぐ | ナノ




「あらら沖田さん、また喧嘩したんですか?」

「…うるせえやィ」

顔に生傷付けてぼろっぼろな状態の沖田が真撰組のドアをガラリと開けて帰ってきた。
また万事屋の神楽ちゃんと喧嘩か…ほんと、毎日よくやるねえ君達。

「ったく、ほらこっち来てください。オロナインつけるくらいならしてあげますよ?」

「…マヨネーズでもつける気だろィ」

「あれ、バレましたか」

ずかずかと歩いてきて隣に座る。土埃やらが舞って、かなり汚いんですが、沖田さん。

「仕事帰りにそんなことして、疲労がたまるのわかるでしょうが」

ばこん、と沖田の頭を叩くと痛ェ、と言って目を閉じて沖田は黙った。
あれ?いつもなら悪態をつくはずの沖田が黙ってる?しかも目を閉じるときは絶対あの変なアイマスクするのに。もしかして今日は珍しく疲れてたりすんのかな。



30分くらい経ったけど、沖田は相変わらず目を閉じて動かないので私はどうしようもない。
そうだ、せっかくなので女の子がすぐ騙されるあっまいマスクをたっぷり堪能してやろうじゃねえかと顔をのぞきこんだらいきなり目を開けて、「キモいから顔近づけんなブスブスー」と言って来た。え、なんだいつも通りじゃん。
ってか失礼だな、てめぇ目潰しすんぞ。

「全く!真撰組紅一点の美人が心配してあげてんのに!」

「誰が真撰組でィ、勝手に居座ってるだけだろうが。大体そんな美人がいたら真っ先に口説きにいってまさァ」

「オイこら隣をよく見てみろ」

「ちょっと誰か来てくだせえーゴリラが何か頭おかしなこと言ってるんでさァー」

「てめぇ…!」

そう言うと沖田はまた目を閉じて黙っり、今度は涼しい顔でがあがあといびきをかきやがった。
口を開けば残念なサディストなのに、黙ってたらどこぞの王子様みたいな顔してやがる。
それが尚更腹が立つから、えいとデコピンをしようとしたらチョップが飛んできた。
…なんなのコイツ…本当に、目潰ししたい。