「…なんで颯斗くんもいるのかな?宮地くーん」

「青空がいた方が集中できると思ってな」

「お役に立てるかは分かりませんが」

宮地くんにつれてかれた先は図書室で、そこには颯斗くんが座っていた。
もちろん手には、ミニ黒板。間違いない…やる気だ…。一応ポケットを漁るけど、まさか颯斗くんがいるとは思わなかったから耳栓は持ち合わせてなかった。やべえ。
し、しつれいしまーすと颯斗くんの左のイスに座ると私の右に宮地くんが座る。おいおいおいおいお前ら!両手にイケメンどころの話じゃねーぞ!ある意味両手に鬼だよ!

「宮地くんと颯斗くんに囲まれたら課題、絶対しなきゃならないじゃんか!」

「当たり前だろう!ほらさっさとやるぞ」

「み、宮地くん一人ならさっきついでに持ってきた錫也クッキーでどうにかなると思ったのに…くっ」

「う…まあ食べてやらないこともない、ぞ」

「じゃあっ、」

「みょうじさん?ほら、早くシャーペンを持ってください?」

ミニ黒板を耳元に近づけて普段からは想像もできない声で颯斗くんは言う。黒いよ颯斗くん!なんかわかんないけどいつも美白な顔がドスのきいた黒に染まってるから!

「ううー…はい」

鬼二人に囲まれちゃあやるしかない。
ぶっちゃけこの課題は星のことでもなんでもないのでやる気がでないんだけどなあ。
それでも両サイドの二人が怖いので仕方なく取り組むことにした。






「だからここがこうで…」

「ほうほう」

「ですからこうなるんですよ」

「あーそうなるわけ…っと、あれ?」

ワークの次のページをめくろうとしたら、無い。
あれ?ってことは…

「終わったあああああああ」

「おつかれ」

「おつかれさまです」

宮地くんがぽんっと私の頭に手を乗せて、颯斗くんが小さく拍手してくれる。
二人とも自分の課題とかでも大変なのに手伝ってくれたなんて、なんてありがたい…!

「もーお前ら好きだー!」

「はっ、」

「これはこれは、ありがとうございます」

宮地くんの真っ赤になった手がぱっと避けられる。
抱きつこうかとも思ったけどさすがにそれは向こうにも失礼かと思ってやめた。学園のマドンナにしてもらった方がこいつらも嬉しいだろう。今度頼んどいてあげようじゃないか。感謝したまえ君たち。

終わった安心感からかふっと眠気が襲ってきた。そうだ、昨日夜遅くまで星、見てたんだっけ…











「お前はすぐにそういうことを言…って、寝たのか」

「はい。ぐっすりですから起こさない方がいいですね」

ぐーすかと眠るみょうじの顔を見ていたらつい笑みがこぼれる。全く無防備な…きっと、疲れたんだな。

「生徒会で忙しいのにすまないな青空。みょうじは俺が起きるまで見ておくから」

「いえいえ、宮地くんとみょうじさんの事なんですから構いませんよ。ではお言葉に甘えて、僕は失礼させていただきますね」

「ああ、ありがとう」

青空がみょうじを起こさないようにドアを静かに閉める。
その時に風が入ったのかみょうじがへっくしょいとくしゃみをした。親父か、お前は…。




ほんとに、しょうがない奴だ。












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