しかし桜の木の下で、錫也のおいしい弁当を食べながらなんかこうみんなでわいわいするのってすごく楽しい。
でもなんかちょっとねむ…眠く、な……
「みょうじ」
ピン、と張り詰めた声が、する。こ、この声、は。
おそるおそる後ろを振り向くと、予想通り鬼の福部長こと宮地くんが仁王立ちしていた。ひいい怖い!その眉間の皺をやめろ!
「あっおはよう宮地くん」
「久しぶりだなあ宮地くん」
「ああおはよう夜久。久しぶりだな、東月」
そう話す間も宮地の皺が緩まることはない。月子ちゃんスマイルを見ても動じないとは、私、何かしたか?
「あっ宮地!この前僕おいしいお店見つけたんだ!今度神楽坂も誘って行こうよ」
ナイス!羊!
「む…本当か?」
食べ物の話題とあってはさすがの宮地くんの眉間の皺も緩んできた。その調子、その調子…
「ったく食いしん坊トリオはこれだからな〜。で、宮地は何の用なんだ?」
「哉太てっめえええええ」
「なっ何なんだよ」
せっかくいい感じに進んでたのに、宮地くんの皺がまた寄っていく。ちっ。
「みょうじ。お前もう課題は済んだのか?」
「か、課題?」
「そうだ。俺が集める係だがお前だけまだ出てない」
「あー…」
「で、やったのか?やってないのか?」
「やってませーん…」
「だろうな。だから今からやりにいくぞ」
「えっ、ちょ、今花見なうなんだけど」
首根っこ掴まれてずんずんと引きずられていく。ちくしょうお前ら助けろよ!みんなでにっこり手振るな!
「哉太は後でお仕置きだからね!」
「えっなんで!?俺なんかしたか!?」
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