死すべきはあなたが許したエゴだった | ナノ
「もう、いい」
床に落下した、掠れた声が合図だった。お気に入りのリップクリームをなくしてしまったと嘆いていたことを、かすかに乾燥した茜色のそれにキスをして思い出した。洗濯物は結局干せずじまいだった。 ――『  』第16話


こんな幼い怯えなど笑ってくれたらいいのに
数えたくないものばかり積まれていく
流星のように生きていたね
不器用なおくち
引き金をひくのはだれ
死すべきはあなたが許したエゴだった
素直のかけらを隠してごめん
歯を立てるオレンジは甘くないが
聡いこども
雨を飲みこむ土の匂いも憶えてる
はじめからジョーカーは僕だよ
後にも先にも追いかけっこ
ある亡国の歴史
泡になって消える手品です
月泥棒
花占いでもいかが
ふたりで歩いた季節をひとりでなぞるなんて、これほど残酷な罰はないわ、そうでしょう

20140825