頼りにしてる
「コウタ、一緒にミッション行こう」

「……あの、今日何回目」

「気にしたら負けだ!ほら、困ってる人達を助ける為に急いでいくぞ……」

フラリと一瞬立ちくらみがした。
倒れないようになんとかたえて笑ってごまかす。

「……カダーヴル少し休んだら?」

「……」

ごまかせなかった。
コウタは変なところで勘が鋭い。

「なんか疲れてるみたいだし。このミッションは俺が行ってくるよ」

「いや、コウタ。報酬の為に行きたい!」

「報酬も大事だけどさ、もっと身体を大事にしろよ」

「でも」

「でもじゃない。リーダーが倒れたら皆困るから」

「……じゃあ休むからコウタ俺に膝枕して」

勢いつけて抱きつけばコウタは支えきれずバランスを崩す。

「いってぇ……」

「さあ、膝枕!」

「いやいやいや、二人休んだら意味ないから!」

「膝枕してくれないなら俺はミッションに行く」

「なんでそうなるんだよ……。はぁ、仕方ないな。じゃあせめて俺に頼ってよ。一人で頑張ってたら俺一緒に行く意味なくなるからさ」

「コウタ……」

イケメンなことを言うコウタに俺は一瞬驚いた。
頼る。正直頼り方なんて分からない。
それに……

「頼りたいのは山々なんだけど、コウタ気づけば倒れてるじゃん」

「うぐ……っ…それはそうだけど……」

「でも、サンキューな。これからはコウタのこと頼ることにするよ」

「おう!じゃ、ミッション行こうぜ」

「コウタ。無事にミッション終わったら膝枕してくれよ」

「それ、死亡フラグ!」


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