フライアに戻ると噂の新しく入ったひとがいた。
「あ、」
「噂の人!」
「こら、ナナ。指ささないの」
「ロミオ先輩はナナの保護者になるんですか?」
「わーい!第三のお母さん」
「あえての母?しかも第三!?」
そんな話をしている間に噂の人が去っていこうとした。
「ちょ、まっ」
「俺、ロミオっていうんだ。ブラッドは甘くないから覚悟しておけよ」
ロミオ先輩が新しい人に向かって言う。
さすが先輩、へたれなくせにこういうときはすごく頼りになる。
それからしばらく先輩が色々話していて……ぶっとんだ。
「いっ……てえ…いきなり殴ることないだろ!!」
殴り飛ばされたロミオ先輩が言った。
突然の急展開過ぎて俺はまったくついていけなかった。
「状況を説明してほしいな」
ジュリウス隊長が騒ぎを聞きつけてやってきた。
説明…どう説明すればいいんだ。
「ちょっと、よくわかんなくて・・・」
ナナが言う。
どうやらナナも俺と同じくついていけてない組だった。
「こいつの前いた所とか聞いただけだよ!そしたら、急に殴りかかってきて・・・」
「俺はギルバート・マクレイン。ギルでいい。このクソガキがむかついたから殴った。それだけだ。懲罰房でも除隊でも勝手に処分してくれ」
そう隊長に言い新しくきた…ギルさんは去っていった。
「あいつ・・・・・・短気すぎるよ・・・俺もちょっと聞き方がしつこかったかもだけどさ・・・・・・」
「暴力はよくないねえー。先輩も結構いじりすぎだったかもだけどさー」
「軽く行った方が早く打ち解けられるじゃん!」
さっきとは真逆でナナがロミオせんぱいの保護者みたいだ。
「今回の件は不問に付す…。ただし、戦場に私情を持ち込まぬよう関係を修復しておくこと」
ジュリウス隊長が言う。
確かにこのままだと絶対に任務中に大変なことになりそうだ。
ここはロミオ先輩とギルさんに仲直りしてもらっ
「えー!むりだよあんなのー!」
即答の諦めだった。
「ロミオ先輩ちょっとは努力しましょう・・・」
「お前たちもしっかりサポートしてくれ。いいな」
(あれっ、巻き込まれた!?)
ナナも同じことを思ったのか一瞬かたまっていた。
去ってくジュリウス隊長の背中見送っているとロミオ先輩がため息をつく。
「無理だってー!あんな暴力ゴリラとなんかやってらんないよー!」
「先輩、俺たちも手伝いますから。ここは大人になりましょう」
「そうだよ先輩!新作おでんパンあげるから!」
「ナナ、このおでんパン色がおかしいんだけど・・・」
「いいからいいから」
「もががががが」
「じゃあ、俺は先輩とナナが遊んでる間にあの暴力ゴリラギルさんに話しかけてきますね」
「もが、もがががが…もがががががが(待て、お前がいったらさらに酷くなる気がする)」
「いってきます!!」
「もがーーーーーーー」
なんていってるか全然分からなかったけど、多分頼んだぜ!とかそういうところだろう。
俺はフランさんに聞き暴力ゴリラギルさんのいる庭園へと向かった。