パタン
俺は本を閉じ部屋の主の方を見る。

「ソーマー、この本の続きどこー」

本を振りながら部屋の主……ソーマに聞くとソーマは本棚を指差す。

「そこの棚に並んでる。……お前読めたのか？」

「フフフ、挿絵が有ればなんとなくそれでどんな状況か想像できる！」

「……」

呆れた目で見られた気がするが俺は無視して本棚に近づき本を探す。

「あった！」

さっそくぱらぱらとページをめくる。

「……」

「……」

「……うん！良い話だね！」

「ほんとに挿絵しか見ないんだな」

「文章読むと眠くなるから」

「コウタらしいな」

「ソーマが気に入ってるのってある？」

「……挿絵はないぞ」

「大丈夫！ソーマが好きな本なら頑張って読んでみたい」

「じゃあ……」

ソーマは本棚から一冊本を取り出して渡してきた。

「ありがとう」

俺は本を受け取り中を見る。

「……ソーマ、読み仮名ふってくれない……？」

「………」

あきれを通り越して哀れんだ眼差しを向けられて俺は苦笑するしかなかった。