「コウタ、今日も可愛くて素敵だね」
「はいはい、ありがとう」
呆れたように返す。
毎日のように言ってくる冗談。
いい加減飽きないのだろうか?とコウタは最近疑問に思っている。
「コウタは冷たいなー。俺は悲しい。最初のころは動揺してて面白かったのに」
「いや、だってアンタ……毎日同じパターンすぎて俺もなれるって、そりゃあ……」
「じゃあ耳元で囁くか?」
「残念ながら俺にはガードがあるから無理だぞ」
コウタは帽子に触りながら言う。
「えー、じゃあ……部屋にいるときにベッドに押し倒して」
「よし、俺の部屋には入室禁止な」
「断る!リーダー権限を使うぜ」
「職権乱用!?」
「まあ冗談。俺はコウタの嫌がることはしたくないからな」
「じゃあ毎日可愛いって言ってくるのやめてくれませんかね」
「それは聞けない。俺は可愛いものに可愛いって言わないと生きてけないんだ」
「……」
「まじて引くなよ。傷つく」
「傷ついとけよ、ばか」
「今のばかの言い方がよかった!もっと言って」
「変態か!!」
「コウタ大好き」
勢いよく抱き締められコウタはため息をついた。
そんないつもの日常。