ロビーに着き、建物内を知らない俺はカウンターのところに行ってどうすればいいのかを聞くことにした。
「ゴッドイーターならびにブラッドの適合試験お疲れさまです」
「あ、ありがとうございます」
「私はオペレーターのフランともうします。これからあなたのブラッド候補生としての日々を全力で支えていければと思います。よろしくお願いしますね」
「俺はシキです。よろしくお願いします」
「偏食因子が定着するまでミッションを発行することは出来ません。それまではフライアの中……そうですね、庭園あたりでゆっくりなさっては?もし迷ったり困ったりしたら遠慮なく私に申し付け下さい」
「ありがとうございます……」
初対面と話すのは緊張する。
俺はフランさんに言われた通り庭園に向かうことにした。
庭園ならゆっくり出来るらしいし、ちょうどよかった。
エレベーターに乗り庭園に到着した。
花が綺麗に咲いている。
いまのこのご時世に珍しく感じた。
視線を奥へと向けると人の姿が確認できた。
眺めていると目が合った。
「ああ……適合試験お疲れさま。無事終わってなによりだ」
(? なんで適合試験を受けたことを知っているのだろう……。腕輪をつけてるからか?それともラケル博士に聞いたのだろうか)
「まあ、座るといい」
そう言われたので断る理由もなく俺は座る。
「ここはフライアの中でも一番落ち着く場所なんだ。暇があるとずっとここでぼーっとしてる……」
「いい場所ですね」
「ああ、すごく気に入っている。……そういえばまだ名乗っていなかったな。俺はジュリウス・ヴィスコンティ。これからお前が配属される極致化技術開発局ブラッドの隊長を務めている」
「た、隊長!?それは失礼しまし……」
「あまり恐縮しなくていい。これからよろしく頼む」
「はい……よろしくお願いします…!」
俺が頭を下げると同時にジュリウス隊長は立ち上がる。
「さて……休んだ後でフライアをゆっくり回るといい。また後で会おう」
そう言って隊長は去っていった。
「あの人が隊長か……。不思議そうな部隊だな、ブラッド」