長く会ってなかったせいか、コウタがいつにまして甘えてくる。
「ソーマっ」
首が締まる勢いで抱き締められた。
そろそろなんとかしなければ、殺されてしまうんじゃないかと。
「エリナ。こいつを頼む。どこかへ持っていってくれないか」
「嫌ですよ。私いまエミールだけで手一杯です」
あっさり断られてしまった。
皆それぞれのことで忙しいのだろう。
俺もやるべきことがある。
「コウタ、そろそろミッションじゃないのか?」
「あっ、そうだった!!」
ミッションって言葉を聞いてコウタは慌てて俺から離れエントランスの方へ走っていってしまった。
ミッション>俺 という法則なのだろうか。
それはそれで寂しい気がする。
*****
「で、何故ここにいる」
しばらく経ち自室に帰るとなぜかコウタがソファーで寝ていた。
最近こいつが何をしたいのかが読めない。
「おい、起きろ」
体を揺するが全く起きる気配がない。
(……)
最近ミッションをかなりな数をこなして、尚且つ新人の世話をしていれば疲れて当然か。
仕方ない。しばらく寝かせておいてやろう。
俺は毛布を持ってきてコウタにかける。
「……」
やっと落ち着いて顔を見れた気がする。
こいつの寝顔は何か癒されるな。
近くにいると安心できる。
「おやすみ」
そう呟いて、俺はコウタにキスをした。
*****
「ん……、ふぁぁ…よく寝た!」
体を起こし時間を確認しようと時計に目を向ける。
真夜中だった。
「やべ、寝過ぎた」
俺はソファーから降りて部屋を出ようとしたらなにかを踏んだ。
「痛ッ」
「わっ、ごめ……ってソーマ!!なんでここに」
「ここは俺の部屋だ」
「え?ああ、そっか!ごめんな……ソファー占領しちゃって…」
「べつにいい」
ソーマは起き上がり俺の手を掴む。
「なに、かなり怒ってんじゃ……」
ドサリ。
俺はソファーに押し倒された。
「え?あの……ソーマさん?ほんと占領したのと踏んだのは謝るから…」
「違う」
「え?」
「無防備に寝てたのが悪い」
「は、ちょ……」
ここから先はご想像にお任せする。
*****
「で、なんでお前は俺の部屋にいたんだ」
「ソーマがまた睡眠不足そうだったから癒してあげようと思って……」
「よかったな。癒されたぞ」
「違うからな!意味が全然違うからな!!……でもまあ、ソーマが良いならいいかな」