「オウガテイル、可愛い」
これが初めて戦った敵への第一印象だった。
頑張って突進してきたり、遠くから攻撃してきたり、とにかく……可愛い。
「リンドウさん!俺、こいつ飼いた……」
「やめとけ」
即答だった。
俺は諦めてオウガテイルを討伐することにした。
「俺のものにならないなら……せめてこの手で終わらせてやる」
そう言いながらショートで切っていく。
目標討伐完了。
「結構楽ですね。安心しました!」
「……お前、怖いな」
「え?」
リンドウさんに距離をおかれた。
∵∵∵
迎えが来てアナグラに帰投する。
「カダーヴルさん。今すぐ榊博士のもとに向かって下さい」
「了解」
帰ってからすぐに呼び出しとは、新人は大変だな……等と考えつつ向かう。
「カダーヴル。大丈夫?」
榊博士の待っている部屋に天使が見えました。
「コウタ!お前も何か悪いことしたんだな!仲間がいてよかった」
「なんで何かした前提なんだよ!……っていうか、お前は何をしたんだ…」
「違うのか。じゃあこの呼び出しはいったい……」
「来たね」
「あ、榊博士どもっす」
「さて、いきなりだけど……君はアラガミってどんな存在だと思う」
「ほんとに突然ですね」
俺は榊博士の長くなりそうな話を聞き流しつつコウタを見る。
コウタもよくわかんないみたいな顔をしているから俺は安心した。
∵∵∵
「話長かったな」
「カダーヴル……目あけながら寝てなかった?」
「ばれた?勉強苦手でさ」
「まあ俺も勉強苦手だけどさ」
「なあ、コウタ」
「うん?」
「俺たち、ダメ人間仲間だな」
「じゃあな、カダーヴル」
「え!スルー!?」
俺は去っていくコウタの後を追いかけた。