リーシャナレ01『手術が終わったのか、
ゆっくりと私の意識が浮上してくる。
まぶたを持ち上げると、視界が開ける。
見えるのは、白い天井…ということは、
ここは、病院?手術は成功……?』

ピコ02「!リーシャ!!」

リーシャ03「ん、ぴ、……ピコ……?」

ピコ04「よかったぁぁあ……!
手術は成功したって聞いたけど、
やっぱり目を覚ますまで心配で…っ!
……ほんと、よかった……!」

リーシャナレ05『どうやら手術は成功らしい。
にしてもここまでボロ泣きするピコは
初めて見たなぁ…。これなら案外手術も
悪くないかも…なんて言ったらピコに
何されるかわかんないから言えないけど。』

リーシャ06「よかった……。
これで、ディルカ先生にも顔向け、できる…」

ピコ07「え?り、リーシャ…?」

リーシャ08「……?なに?」

ピコ09「あんた、何も聞いてないの?」

リーシャ10「え……?」

リーシャナレ11『嫌な予感がする。
もしかして何かあったんだろうか?
私が手術してたのは数時間とはいえ、
その間何もなかったとは言いきれない。
しかし、ピコの言葉は予想外の発言だった。』

ピコ12「……落ち着いて、聞いてね?
リーシャのドナーの提供者は…、
ディルカ先生なんだよ……?」

リーシャ13「………え?
い、いやいや、何言ってんの?
ディルカ先生は今日は結婚式で…」

ピコ14「ほんとだよ!
私だって後から聞いて確認したんだから!
リーシャのドナー提供者は、
間違いなく、ディルカ先生、だよ…」

リーシャナレ15『訳がわからなかった。
でも、同時に思い出しながら考える。
ディルカ先生は、ドナー提供者を言ったか?
…言ってない。そうだ、結婚についても
肯定はしなかったんだ。
だったら、……あれ……』

ディルカ『俺が、好きな人と
一緒になる日なんだ』

リーシャ16「私の、命になるってこと…?」

ピコ17「リーシャ……?」

リーシャ18「何それ…何で?
私、それが、…死に別れるのが嫌で…
だから望みは持たないようにしたのに…
何でこんな……わざとわかるようなこと…
馬鹿だよ!気持ち伝えても居なくなったら…
死んじゃったら意味ないじゃん!!ばか!」

ピコ19「リーシャ……」

リーシャ20「何よ!何が俺の代わりよ!!
花なんか渡すくらいなら本人現れてよ!
幽霊でもなんでもいいから!!ねぇ!」

ピコ21「花って…もしかして、その花?」

リーシャ22「そうだよ…
立ち会えないから、謝罪だって。」

ピコ23「ねぇリーシャ。
その花、何て花か知ってる?」

リーシャ24「知らない…
ただ渡されただけだし、見たこともない…」

ピコ25「私もね、珍しいから調べてみたの。
その花は、アングレカムって花なの。
花言葉は祈り。そして、
いつまでもあなたと一緒。」

リーシャ26「え……」

リーシャ『これでも私、長持させる方なんだから!物持ちもいいし!』

ディルカ『………なら、安心だな…。』

リーシャ27「……ディルカ、さん…」

ピコ28「…きっとさ、先生も苦渋の
決断だったと思うよ。でも、知ってたら
あんた手術受けないでしょ?
だから、最後に…ううん、最後まで、
一緒にいる道を選んだんじゃないの?」

リーシャ29「ピコ……
……そうだね、もう、文字通り私だけの
命じゃないんだよね……分かったよ。」

リーシャナレ30『本当は辛い。
こんなことじゃ割り切れない気持ちは
いっぱい。だけど、幸せになると、私は
約束したから。』

リーシャ31「いいよ、ディルカさん…
いやってほど長生きして、ずっと、ずっと
一緒にいましょう。」

リーシャナレ32『あなたがくれた、
あなたと私の永遠ギフト』



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