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ホームルームも終わり、教室に残っているのは爆睡しているコイツと二人きりになってしまった。


『スー…スー……』


どうせ部活もサボるから特に用がない俺は写メでも撮ってやろうかと残っていたが、あまりにも気持ちよさそうに寝ているもんだから、その綺麗な寝顔に見とれていた。


「オイ、いつまで寝てんでィ」

『んっ』

「――…っ!!」


ちょっとイタズラしてやろうと鼻をつまんでみると色っぽい声がして、慌てて離す。

艶やで赤いふっくらした唇につい見入ってしまった。


「お前が無防備なのが悪いんでさァ」

『…ん、ふぅ……』


気付けばキスをしていて、未だに夢の中の彼女の口から時々甘い吐息が漏れる。

離れた唇を愛おしそうに見つめながらも寝込みなんて襲って何してるんだ、と自虐気味に笑っていたら目を覚ました彼女と目があった。


『……総悟?おはよう』


まだ寝起きのせいか、少し焦点の定まっていないトロンとした目で笑いかけてくる。


「ほら、帰るぞバカ」


これ以上見つめられたら自分が何をしでかすか分からないと思い背を向けると、ぎゅっと手を握られた。


「何やって……」


振り向くと俺の手を握ったまま再び机に突っ伏した、安心したような寝顔。


「たまにはこんなのも悪くねェか」


そう呟いて手を握ったまま起こさないように静かに隣の席に座り、同じように突っ伏してみた。








放課後の教室で



「おーい早く帰れェ、って何だ。二人して幸せそうな顔で寝やがって。」

「先生も青春してぇよコノヤロー。」


だるそうな銀八の声が響いた――
 
 





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