ソファに身を預け、二人肩を並べる。数日ぶりの休日、家へ来ないかと誘いがあったのは今朝のことだ。 滅多にない休みを共に過ごせるのは素直に嬉しかった。けれど、貴重な時間を私なんかの為に使ってしまって良いものかと少しの不安が過る。 知らず知らずのうちに表情に出ていたんだろう、テレビを見ていたはずの虎徹さんが私の顔を覗き込んだ。 「なぁにシケた面してんだ。そんなにつまんねーか?」 「別にそういうわけじゃないけど…、」 「ならいつもみてぇに笑っとけ」 言いながら、虎徹さんは太陽のような笑顔を浮かべる。釣られて口角を上げれば「それでよし」なんて満足そうな声。 伸びてきた手にぐしゃぐしゃと掻き混ぜられ、咄嗟にその腕を払った。 せっかくセットした髪が崩れたら堪ったもんじゃない、だなんて本当は照れ隠しだ。必死に取り繕うにも、どうせ虎徹さんにはバレているのだろう。 「そうやって子供扱いしないで下さい」 「おー、わりぃ。つい手が勝手に」 そう言ってへらりと笑う。相変わらず、良い年のくせに子供のようなことをするものだから困ったものである。 そうして無意識に頬を膨らませていると顔を包む大きな男の手。ちゅ、なんて可愛らしい音を立てて離れていった彼の表情は悪戯っ子そのものだった。 「これで満足だろ。お姫さんよ」 「ま、またそうやって」 「そのわりには万更でもないって顔してんぞー」 「そんなこと…!」 「へーへー。相変わらず素直じゃねぇのな」 なんでもない日 20111004 |