最近臨也さんからもらった静雄さんに似た人間みたいなやつ。 デリックっていうの。 デリ雄って呼ぼうとしたらマジで犯されそうになったから、もう二度と呼ばないと誓いました。 「なあ、冷蔵庫に入ってたプリン知らねぇか?」 『プリン?そんなのいっつも食べてんじゃん』 「いや、ちがくて。この前できたお店の限定品」 この前できた……あぁ、あの明らかに高そうなお店のことか。 学校の友達が言うには、すごく有名なパテシエさんが作ってるらしい。それでもって見た目だけでなく味もかなりのものだって。 『……え、あ…うそ、』 「知ってんのか?」 『それ、さっき食べちゃった』 「……楽しみにしてたのに」 ギリギリ聞こえるくらいの声で呟くと、あからさまにしょぼんとなる私より遙かに大きなデリック。彼は静雄さんに似てプリンだけには本当に目がないのだ。 楽しみにとっておいた好物を食べられたら誰だってへこむ。たぶん、私だったらすごく怒ると思う。 ……どうしよう。 『ごめんね』 「……食ってやる」 『は?』 「プリンがないからお前で我慢するって言ってんだよ」 『ちょ、なんでそうなるの!』 「良いだろ、食わせろ」 さっきまで捨てられた犬みたいだったのに。まるでこの世の終わりみたいな顔してたのに。 いきなり顔を上げたと思ったら全くもって訳の分からないことを言い出したデリック。 他の知識は人間より劣っているくせに、こういうことだけは私なんかより全然知ってる。下手したらどっかの情報屋より危ない。 『こっちくんな変態、んうっ』 無意識のうちに後ずさりしていたら壁に追いやられてて、真っ青になりながら彼を見上げると口を塞がれた。 むり、苦しい。死んじゃう。 『は、ぁぅ…苦し、けほっ……』 「相変わらずキス下手くそだな、ご主人様」 『うるさい』 というか、デリックが上手すぎるだけだと思う。私は普通だよ、きっと……たぶん。 ああもう恥ずかしくて爆発しそうなんだけど、どうしてくれるんだ。 「気持ちよかっただろ?」 『そ、そんなことない!』 「うそつけ。顔真っ赤だぞ」 『これは、その……この部屋が暖房利きすぎて暑いの』 「ふーん。ま、いいけど」 でも何だかんだ言いつつも嫌だ、って完全に断れないあたり、やっぱり私はコイツのこと好きなんだろうな。悔しいけど。 「さぁて。続き、シようか」 『誰がするか変態』 「お前だってキスだけじゃ足りないだろ?」 『うっさい!これ以上近寄るな!この万年発情期!』 それにしても私、何でよりにもよってこんな変態を好きになってしまったのだろうか。 甘いキスで殺して |