首無 | ナノ



いつものように学校帰りに俺の家に寄った彼女は、俺の横に立ってパソコンの画面を覗いていた。

前屈みになってい為ワイシャツの間から谷間が見えそうで焦れったい。もう少しなんだけどなぁ。


『臨也ってさ、』

「ん?」


返事をしつつ、目線の先には少し短めのスカートからすらりと伸びたなまえの脚。

細くて綺麗だけど、他の男に見せてると思うと少し……いや、だいぶムカつく。


『何が一番大事だと思う?』

「君はほんと随分と野暮なこと聞くなぁ。もちろん君に決まってるじゃない」


恥ずかしげも無く吐いた台詞に他の女のように頬を染めるでもなく、だがこれといって嫌そうな顔をするわけでもない。

あぁ、これだから俺はどんどん君に夢中になっていくんだ。


『そういうんじゃなくて』

「Love is more precious than anything else.」


脇へと手を伸ばして引き寄せ、座らせる。

膝に乗ったなまえの耳元で言ってみれば今度は困ったような顔で振り返った。


『どういう意味?』

「んー、秘密?」

『えー……』

「ちゃんと勉強したら分かるんじゃないかな」

『勉強きらいだもん』

「そう言うと思った」








愛より大切なものはない

(君に分からぬよう)
(本音をこぼした)



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