コンクリートからじわじわと照り返す熱が容赦なく襲い掛かる。 もはや外に出る気力さえ無くなりそうな猛暑の中、早い時間に講習を終えてしまった私達は日光に晒されながら帰路へ着くことになってしまったのだ。 「小春ちゃん、生きてる?」 『……かろうじで』 自分でも分かるほど覇気のない声に、私と荷物まで乗せて自転車を進める(意外と力持ちなのかもしれない)折原くんがクスリと笑う。 全く、何がそんなに面白いんだか。この前は暑いだの日に焼けるだのと随分と騒がしかったくせに、今日はやけに元気に見えた。むしろ体力が有り余ってる感じがするくらいだ。 「しっかり掴まってないと落ちちゃうかもよ」 『暑い。うざい。ムリ』 「おーっと手が滑ったぁ」 『ちょっ、揺らさないでよ!落ちるってば!!』 「掴まれって言ったろ」 そう言って一瞬だけ振り返った笑顔があまりに自然で、思わず自分の目を疑った。 それでも見間違いではなかったらしく、耳に入ってくるのはいつもの彼からは想像も出来ないような明るい声。 『なんか楽しそうだね』 「ん?何が?」 『折原くん』 「……まあね」 きっと何か良いことでもあったんだろう、なんて。勝手に納得した私は無意識に上がってしまう口角。 そのとき二人の間でバイブ音が鳴り響いた。いくら待っても鳴り止まないそれに、彼が舌打ちする。 『出ないの?』 「……ごめん、ちょっと自転車止める」 『別に良いよ。私あそこの日陰で待ってるから』 「分かった」 数分後、眉間にこれでもかという程に皺を寄せて戻ってきた折原くん。今まで見たこともない、まるで鬼のような形相に私は数歩後ずさる。 どうしたものかと一人オロオロしていると、彼がこちらへ向かってきたので恐ろしさのあまり大人しくその場に直立した。 「小春ちゃんを連れてこいだって」 『……へ?』 「夕方、迎えに行くから」 向かう先は、 |