歪曲アーク2 | ナノ

 
 
なんてことを、自責の念が押し寄せるばかりで何の意味もなさない後悔。何故、思うばかりで一向に見つかることのない答え。

シーツの海に身を沈め、無意味な自問自答をひたすら繰り返し、得た物は果たして何だっただろうか。


「らしくない、」


闇医者志望のクラスメイトからは「最近治療しに来ないけど生きてる?それともとうとう静雄に殺されちゃったかな?」なんて、随分と物騒な内容の留守番電話。

そして街でたまたま擦れ違った、世話妬きな友人には「顔色悪いぞ。何かあったか?」なんて心配され。

挙げ句にはちょっと気を抜いている間にベタな当たり屋に引っ掛けられ、顔面に(ヘボかったけれど)一発喰らう始末。

その後すぐに我に返って返り討ちにしたのは良いが、殴られた頬は未だ熱をもってして脳に痛みという認識を伝達する。全く、俺としたことがなんてザマだ。

俺は人間が好きだ。好きで好きで堪らない。でも、彼女はその人間という枠を超えて――


「……好き、なんだろうねぇ」


内側から溢れる自分の感情を素直に認めてしまえば、こんなにも世界は美しい。そんな臭いことを言うつもりは更々ない。どこぞのバカのように恋だの愛だのに溺れることは、俺には理解し難いことである。

けれど、何でも無い日常の中で誰かに恋慕するのも、存外悪くないのかもしれない。





それでは、淡いピンクを塗り替えましょう
 
 





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