思えば、彼とは何だかんだ多くの時間を過ごしたなぁ、なんて。気付けば折原くんのことを考えてしまっていて、そんな自分に思わず苦笑いが零れる。 出会いこそ最悪だったにしても、(半強制的ではあったが)お昼も一緒に過ごしていたし、クラスが違うから忘れ物をしたときには彼から借りたことだってあった。 まあ彼が一般人とは少し違っていることには変わりないのだが、今となっては、一緒にいる時間はそれなりに心地良いものだっただと言えると思うのだ。 ――でも、なんていうか、折原くんも相当な物好きだよなぁ。 校内外に関わらず問題を起こしまくっている平和島くんと、そんな彼にちょっかいを出しては楽しんでいる折原くん。そんな二人はいわゆる犬猿の仲というやつで、喧嘩をする度に先生達は頭を抱えていて。 だからこそ私は平和島くんはもちろん彼のことだって知っていたけれど、ごく一生徒にすぎない私のことなんて、折原くんが知るはずもない。 にも関わらずふとしたきっかけでここまで深い関係になったのは、奇跡なんじゃないかと思うくらい、それくらい、有り得るはずのなかったものなのだ。 きっと、こんなことを本人に言ってしまえば、それはそれで嫌がられそうだけど、私の中での彼はもはや“友達以上”の存在なのかもしれない。 『私は、いつもの折原くんが好きなのに――…』 私の本音 |