「よォ。久しぶりだな」 『坂田さん…?』 へらりと笑顔を見せてこちらに手を振る姿に、慌てて頭を下げる。 何やら屯所の前で私を待っている人がいると聞いて出てくれば、ついこの前画面越しに見たばかりの坂田さんだった。 『どうなさったんですか?』 「いやぁね、この前宇宙旅行に行ってきたんで土産でもと思って」 『私に、ですか…?』 「他に誰がいるんだよ。俺は優衣ちゃんにあげたくて買ってきたの」 『……でも、』 「いいから受け取って」 ほれ、と言いながら渡されたのはどこかで見たペンギンのような白い何か。 胸元に縫いつけられた布には“宇宙怪獣ステファン”と書かれているものの、見覚えしかないそれに思わずじっと見つめてしまった。 「どした?」 『あ、いや、これに似てるものを最近見たもので』 「き、気のせいじゃね?」 『そうですかね』 「そうそう。きっとそう!」 『……まあいっか』 どこか焦ったような声の坂田さんに多少の不審感を抱きつつも、別に彼が隠す理由もないだろうと思い特に気に留めることはしなかった。 もし仮に隠していたとしても、真選組として調べる程のものではないだろうし。問題ないはずだ。 [*←] [→#] [戻る] [TOP] |