かしづき給ふ | ナノ

 
 
『……拝み屋?』


聞き慣れない単語に思わず首を傾げる。そもそも、天人が闊歩するこのご時世に“拝み屋”なんてものが存在するのだろうか。

開きっぱなしの襖から廊下を覗く土方さんに隠れるようにして部屋の外を窺う。続いて、興味本意であろう沖田さんも煎餅をくわえたまま首だけひょっこり覗かせた。


「なんだコイツらは…。サーカスでもやるのか?」

「いや、霊をはらってもらおうと思ってな」

「オイオイ冗談だろ。こんな胡散臭い連中…、」

「あらっ!お兄さん背中に」


言いかけた土方さんの言葉に被せるようにして口を開いた、先頭に立つリーダーらしき人物。

笠を被ったうえで顔に包帯を巻いていて表情は見えないが、声からして男で間違いないだろう。何やら怪しげな感じがしてならない。


「なんだよ。背中になんだよ」

「ププッ。ありゃもうダメだな」

「なにコイツら。斬ってイイ?斬ってイイ??」

『土方さん、落ち着いて下さい。相手は仮にも一般人です』

「……チッ」





(どこかで見た顔?)
 
 



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