「まァとにかく、そーゆうことなんだ」 『……あの、すいません。突っ込むべきなんですか』 いつの間にか土方さんの反対側に戻ってきていた近藤さんを見て思わず反射的に溜息が零れた。 何事もなかったかのような面構えだが、顔はボコボコのうえ鼻血まで出している。プライドも何もあったもんじゃない。 「こちらも毎年恒例の行事なんでおいそれと変更できん。お妙さんだけ残して去ってもらおーか」 「いや、お妙さんごと去ってもらおーか」 「いや、お妙さんはダメだってば」 「何勝手ぬかしてんだ。幕臣だかなんだか知らねーがなァ…」 先程まで緩みきった顔をしていた坂田さんがキッと睨み返す。 こちらの目線に合わせるようにして腰を上げた彼に続き、他のメンバーも立ち上がった。ついでを言うと、犬まで。 「俺たちをどかしてーならブルドーザーでも持ってこいよ。ちなみに優衣ちゃんは置いて行け」 『私いりませんよね!?』 ハーゲンダーッツ1ダース、フライドチキンの皮。フシュー。いや、最後のはよく分からないけども。 案外お前ら簡単に動くな、と眼鏡の男の子が若干白い目で彼等を見る。私も全く同じ事を思ったのだが、呆れすぎて何も言えなかった。 「誰が優衣をテメェなんかに渡すか!……今年は桜じゃなく血の舞う花見になりそーだな」 『ちょ、あの、みなさん落ち着きましょうって』 「てめーとは毎回こうなる運命のよーだ。こないだの借りは返させてもらうぜ!」 「待ちなせェ!!」 『沖田さん…!』 「堅気の皆さんがまったりこいてる場でチャンバラたァいただけねーや。ここはひとつ花見らしく決着つけましょーや」 『え、あれ、その格好…』 「第一回陣地争奪…叩いてかぶってジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃ!!」 「「「「花見関係ねーじゃん!!」」」」 どうも今年はいつも以上に騒がしくなりそうだ。 (何だかんだ言いつつ) (みんな楽しそうなのは、気のせいじゃないと思う) [*←] [→#] [戻る] [TOP] |