折原臨也16歳、ただいま屋上にて絶賛お楽しみ中! 「アハハハハ!ねぇ新羅!見てよあれ」 「んー?静雄と追いかけられてるのは……女の子?」 携帯から目を離した新羅は興味がなさそうだったが、その光景を見た瞬間に目を見開いて驚いていた。 まあ、そのアホ面ったら。写メにでも撮っておけば良かった。 「そう。たまたま教室にいて、俺に選ばれちゃった"不運な"女の子さ」 「そりゃあ可哀相だ」 「助けないの?」 「まさか。僕が言って静雄が止まるとでも?」 「それもそうだねぇ」 いつものようにシズちゃんから逃げ回っている時に思いついた。自分の罪を他人になすり付けてみようと。 そんなことをしたのは、ただ俺の気まぐれ。 『ちょ…まっ、無理!……もっ、息できな、ゲホッ…死ぬぅぅ!』 「ちょこまかしやがって!待ちやがれっつっんてんだろぉぉお」 でもこれが予想外に面白かった。普通の女なら気絶して倒れてしまうなりしてしまいそうな状況で、冷静に判断したうえで逃げるという選択肢を選んだ。 しかも、かれこれ30分くらいは走り続けているのだ。 「はは、どっちが勝つかな」 「相変わらず性格が歪んでるね」 「首のない女を愛してるなんて言うような奴に言われたくないよ」 「セルティはね!首がなくても綺麗だし性格も良いし照れ屋で、」 「はいはい」 ぶっちゃけ新羅の惚気話は耳を傾けるだけ無駄だ。大抵は俺に全く利益のない情報だしね。 「ちゃんと聞いてる?」 「聞いてる、聞いてる」 「聞いてないでしょ!?」 「うん」 「そんなぁ!!」 駆ける、賭ける (結果は君次第) |