イライラする。ただそれだけの理由で今日は、不本意だが新羅と昼食を共にすることした。ついでにいうと、購買で鉢合わせたドタチンも一緒だ。 彼女は今頃どうしているだろうか。困ってるかな。怒ってるかな。もしかすると、俺から解放されて喜んでいるかもしれない。 「この三人で食べるなんて思ってもみなかったよ」 「黙れ新羅。気持ち悪い」 「気持ち悪いなんて心外だよ。僕はただ思ったことを口にしてみただけなのに」 「……腹立つ」 そんな俺の呟きは、新羅に対するものだったのか、仇敵に対するものだったのか。はたまた何も知らない彼女に対するものか。自分にもよく分からなかった。いや、そんなのどうだって良いか。 ――俺だって借りたことないのに。シズちゃんのくせに調子に乗るな。 この前たまたま目撃してしまった光景は、脳裏に焼き付いて離れない。早く、忘れてしまえばいいのに。非常に目障りで仕方ない。 「小春ちゃん、鈍感そうだからねぇ」 いつもなら軽く受け流せるはずの新羅の言葉が、今日は妙に癇に障る。 これ以上何も言うなと言わんばかりに睨み付ければ、口を閉じるどころか、いつものようなヘラヘラした笑みを浮かべた。 「新羅には関係ないだろ。っていうか何時の間に友達になったんだよ」 「いや、おもしろそうだからセルティの友達になってもらうんだ。最終的には親友になるかもしれないし、僕も仲良くなっておこうと思って」 はぁ、と溜息をつけば新羅は何がそんなに楽しいのかニヤニヤしながら俺の方を見てくる。 もともと変な奴だとは思っていた。けど、そこまで考えてるとなると、気持ち悪さに拍車がかかってるとしか言い様がない。 「で、お前は悠木に対して何を求めてるんだよ」 「何って、別に何も?」 「……少しは自分の気持ちに素直になったらどうだ」 「やだなぁ。何言ってんのドタチンったら」 「まあ、お前がそうしてたってあっちは永遠に気付かねぇだろうがな」 そう言って俺を見据えた目は、何かを見透かしたような、僅かながらも確信を持った、そんなような目で。 その視線に耐えきれなくなった俺は、窓の外に目をやる。空は、むかつくほどに青かった。 懸想か否か (臨也も所詮人の子か) (ドタチンも黙れ) あれよあれよという間に話があらぬ方向へ。 書いてる本人にも展開が読めません。毎度ながらグダグダですいません。 |