先日の出来事により平和島くんとの距離が縮まった、そんな気がする。 些細な幸福に心を躍らせる今日この頃、私に一つの関門が立ちはだかった。そう、委員会である。 『すごく面倒だ』 「そうだよね」 『しかも今日は早く帰って見たいテレビもあるのに…!こういう日に限って』 「うんうん、分かるよ」 『だよねー……、って誰ですかあなた!?』 いつのまにか会話が成立していることに気付いて慌てて顔を上げると、目の前には一人の男の子。 私としたことが心の中で呟いていたつもりが、声に出していたらしい。……うわやだ超恥ずかしいじゃん。 「君、もしかして小春ちゃん?」 『えっと、あの、どこかでお会いしましたっけ?』 「いいや、君とは初対面だよ。初めまして、僕は岸谷新羅」 『……悠木小春、です』 少し警戒しながらも一応名乗ってみると、何が楽しいのかニコニコしてる、岸谷新羅。裏のない様な笑顔だが、この状況だとそれが逆に怖い。 っていうか、初対面なのに何で名前知ってるんだろう。 「あー…C組、って言えば分かるかな?」 『C組?もしかして折原くんの友達?』 「まあ、友達かどうかは別として」 遠回しに折原くんと友達だって言うのを拒否された気がする。気持ちは分からなくもないが随分な扱いだ。 「あ、そろそろ始まるみたいだね。終わったら少し話そうか」 『え、あ、はい』 「じゃあまたあとで」 担当の先生の指示でクラスごとの指定された席に着く。そこで改めて、自分がテレビを見たかったことに気が付いた。 断ろうかな、なんて思いながら視線だけ岸谷くんの席へ向けると目が合ってしまい、思わずフリーズする私。 さわやかに微笑みながら手を振られてしまい、つられて振り返してからその手を慌てて引っ込める。 やっぱり断れないや。 笑顔の裏の思惑 (うーん……) (思ったより普通だったね) やっとこさ新羅も登場! なんか黒いオーラが出てるのは気のせいかな。気のせいだね。 臨也と新羅のC組は咄嗟です。……中の人の呼び名から取った、ってことにしておいて下さい。てへ。 |