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▽中学生パロ





「おいドアホ」

『いった!……って坊かいな。何やビビってもうたやないかい』

「これやる」

『相変わらず唐突やなぁ』


帰り際に後ろからどつかれたかと思えば、いつにも増して眉間の皺を深くした坊。

彼の行動はいつも突然だ。もう何年も一緒にいるから分かってはいるのだけれど、こればかりは未だに慣れない。

ずい、と差し出された拳から落とされたそれを慌てて受け取ると、女の子らしい装飾の施された小さな箱だった。


『これ、私にくれるん?』

「いいから開けろや」

『一応聞くけど…その、ドッキリちゃう?開けたらビックリ箱でしたー、みたいな』

「ちゃうわボケ!さっさと開けてみぃ」


何故か照れたように焦る彼を少し不審に思いつつ、恐る恐るフタを持ち上げた。中に小さく鎮座するそれに、思わず目を見開いたまま固まる。

そこで確かに主張していたのは、小さく控えめながらもキラキラと輝きを放つ指輪だった。


「今はまだ俺もお前もガキやし無理やけど…俺が自立して立派な祓魔師なったら、必ず迎えに来る。だからそれまで待っとってくれんか」

『ぼ、坊…』

「こんなでも一応、婚約指輪…っちゅーことやから、その…結婚指輪は奮発したる。せやから堪忍してや」

『ホンマにこれ、あたしにくれるん?』

「……おん」


消え入りそうな声で呟いた坊が耳まで真っ赤になりながら気まずそうに目を逸らす。私はというと、いよいよ堰を切ったように涙が頬を濡らし子供のように泣きじゃくった。

最初はぱちくりと訳の分からないような顔そしていた彼も、困ったように笑ってから頭を撫でてくれて。


「返事、今もろうてもええよな?」

『……大好きやバカ』

「上等やアホ」


何でもないはずだった一日は、本当に最高な、一生モノの思い出になった。








安っぽさは愛で隠す

(二人ともおめでとさん)
(子猫ちゃんありがと)

(坊もやりよるなぁ)
(ほっとけやエロ魔神)
(ちょ、酷い…!)



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