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つんつん、と髪の先を触られてむず痒い。暫くはどうしたものかと考えたが、面倒になったのでやめた。所謂されるがままという状態だろう。

それを良いことに、彼女はニコニコしながらずっと続けている。よくもまあ飽きないものだ。


『ねえ、アマイモン』

「はい」

『その頭の触角、抜いたら死ぬの?』

「指、引っ込めないと咬み千切りますよ」

『冗談だって』


クスクスと小さく笑った彼女が伸ばした手は自身の頭に乗せられる。その白さに思わず息を呑んだ。

悪魔である自分が言うのも変な話ではあるが、彼女は地上に舞い降りた天使のよう。その表現が一番ぴったりだと思う。


「……何してるんですか」

『んー?』

「はぐらかそうとしないで下さい」

『なんて言うか…可愛いなぁ、と思って』


自分から言っておきながら照れたようにはにかんで、ぎゅっと握られた手。握り返してみればとても嬉しそうにする。

貴方の方が可愛いです、なんて。らしくないと思いながらも言ってみると、珍しく彼女の方が真っ赤になった。


「やめて下さい。ボクまで照れます」

『いや、全然そうは見えないけどね』






まるで人間みたいな



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