※狂愛 閲覧の際は自己責任でお願いします。 晋助さん色々と恐いです。しかも夢主死にます。おk? 無理だと思った人はバックプリーズ。逃げて超逃げて!! 「名前、」 『しん…す、け……』 意識が朦朧とする。手も足もうまく動かせない。 目の前に晋助がいるのに。手を伸ばせば届くのに。何でこんなに遠い気がするんだろう。 「俺ァこの世界に喧嘩を売るんだ」 知ってるよ。私、晋助のことは全部分かってるつもりだから。 「あの人を奪ったこの世界に復讐してやるんだ」 だって松陽先生が死んだあの日から、ずっと二人で歩んできたでしょ。 「でも俺にはもう出来ねェ」 『……なん、で?』 やっとの思いで出した声は震えていて、思わず自分のものか疑いたくなった。 「もう…俺には、壊せねェんだよ……」 そう言って俯いた晋助の右目からは、止めどなく涙が落ちてくる。晋助の泣き顔なんて何年ぶりに見ただろう。 泣かないで。私まで悲しくなる。手をのばそうにも、体はもう言うことを聞いてくれないようだった。 「お前がいる世界は、お前が好きだと言ったこの世界は……壊せねぇんだよ」 『晋助、』 既に赤黒い液体の付いた刀を振り上げると、涙を流したまま口元にぎこちなく笑みを浮かべる。 不覚にも、その姿でさえも美しいと思ってしまった。 「だから決めた。お前も一緒に壊しちまえば良い」 あぁ、そうか。これ程にも私は彼のことを愛してるんだ。 こんなときでさえも私の脳内はそんなことばかりを考えて。 もう手遅れだと思った。晋助も、それを受け入れる自分も。全てが、狂ってる。 でも私は、それが間違ってたなんて思わない。 「なぁ、お前もそう思うだろ、名前」 『愛してるよ。晋助も…この世界、も…愛して、る』 「っ、」 最後に彼は一体何と言っていたのだろう。その愛しい声は私の耳に届くことなく、世界は黒に塗りつぶされた。 この世界と共に (大好きなこの世界で) (貴方と笑えないことが) (私の唯一の心残り) |