※夢主が左気味。つまり夢主が攻め攻め。苦手な方逃げて!















強い奴にしか興味がなかった。ましてや女なんて、強い子が生まれるかもしれないから殺しはしないけど、興味なんてなかった。そんな自分が、まさかこんな小娘に惚れてしまうなんて。

「神威さん、おいしいでしょうか?」

むぐむぐとご飯をかき込む俺に問いかける彼女の名はなまえ。地球人の娘だ。たまたま任務できた地球で、阿伏兎とはぐれて、空腹で死にそうな時に彼女が声をかけてくれた。

強くも何ともないし、最初は全く興味無かったけど、彼女の料理はうまい。何やかんやで彼女の所へ通うようになり、最初は料理が目的だったのに、目的は彼女に変わってしまっていた。

「うん。相変わらずおいしいヨ」

彼女へ返事をすませてまたもぐもぐと食べ始める。よかった、とでもいいたげな安堵した表情で俺が食べている間ずっと見ていた。…そんなに見られると緊張するよ…

「あんま見ないでヨ………」
「えへ、いやー神威さんがあんまりおいしそうに食べるものですから、見ててうれしいんです」

ああああ笑顔が眩しい。たまらなく俺は持っていた茶碗と箸を乱暴に置いて彼女を抱き締めた。

「か、神威さ」
「好きなんだけど」
「えっ」
「なまえが好きなんだけど」

少し腕を緩めて彼女を見ると、俯いていた。……恥ずかしいのだろうか。可愛いなあ!と思った神威だったが、顔を上げた彼女は頬を赤らめてはいなかった。

そんな彼女が顔に浮かべているのは、今までみたことがないようなニヤリとしたニヒルな笑みだった。

「神威さん」
「え、な、なに」

彼女の腕が首に回ったかと思うと、力を込められて俺の首は必然的に傾き、なんと彼女にキスされた。今までの彼女と違いすぎてかーっと熱くなる頬をどうにもできないまま放心した。

「地球では「男は胃袋でつかめ」っていうんですよ、正にそれですね」

なんだこれは。可愛い外見と中身のギャップに、いつも以上に心臓がぎゅうと締まるのを感じた。



彼女のほうが一枚上手なんて認めない!



…………………………

動揺している神威さんがみたかったんです。



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