跡部さんのほしいものなんて、俺に聞かれても困る。


「なぁ、日吉ならわかんだろ?」

「分かりませんよ。どこの超能力者ですか俺は」


何故宍戸さんは当たり前のように俺の教室にいるのだろうか。

何故そんな宍戸さんの横に当たり前のように鳳がいるのだろうか。

誰か、何でこんな状況になったのかを俺に分かりやすく説明してくれ。



「忍足に聞いても、アイツと跡部の趣味が合う別けねぇし…
頼れるのはお前しかいないんだ、日吉」

「あの人のことだから、庶民的なものをあげたらどうでしょうか。お坊っちゃんですから珍しがって喜ぶと思います。あのお坊っちゃんですから」

「確かに…この間、パピコをお渡ししたら凄く興味津々で喜んでた!」


「「ちくしょうあのボンボンめ」」


あ、ハモった。

この宍戸さんという人は、俺が知る氷帝の人間で一番の常識人だ。

やっぱりあの金を撒き散らす跡部こんちくしょーに対する気持ちは俺と変わらないらしい。


「この際ですから、宍戸さんをプレゼントしたらどうですか?」

「は…何で俺がプレゼント!?」

「俺は今、猛烈に宍戸さんの様な常識のある人間をあの人の側に置いておきたいからです」

「待って、日吉!宍戸さんをもらうのは俺だよ!」

「違ぇよ!

ってか…それは日吉があげたいものだろ?」

「ですけど、宍戸さんがプレゼント何がいいか尋ねてきたんですからね。
俺が跡部さんだったら、宍戸さんをプレゼントとして貰えたら嬉しいですよ。」

「いや、俺なんかもらっても…」

「嬉しいですよ」

「そ、そうなのか…?」

「宍戸さん!俺だったら泣いて喜びます!」

「えー…じゃあ、プレゼントは…俺ってことで……」


納得がいかないような顔をした宍戸さんを無理やり鳳が連れていった。


やっぱり跡部さんの近くには宍戸さんがいるべきだ。

だって宍戸さん、いつもあんな態度だけど跡部さんが大好きだし。

跡部さんも何だかんだで、宍戸さんを気にしている。


これが恋愛に繋がるものか俺には分からないが、不思議とあの二人には一緒にいてほしいと思った。


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