こうやってバレンタインがくるといつも思う。 白石や千歳、財前にユウジ。はたまた師範や小春や謙也。 金太郎なんて男女問わずお菓子をもらっている。 なのに何で俺はひとつももらえないのか。 俺だってテニス部でしかも、しかも副部長や。結構良いポジションにおる。 なんでや…なんで毎年俺だけ0個なんやあああ!!! 「健ちゃんだって男前なのに〜」 「せやで。実はイケメンやぞ自分」 「ありがとうな、小春…ユウジ…」 「今年は時間があったさかい、健ちゃんの分のチョコわいからあ・げ・る」 「小春!俺のは、俺のはないんか!」 「今後ユウくんにあげる予定なんてないで」 「うそやあああん!」 「小春ありがとうな。嬉しいわ」 「健ちゃん棒読みは止めて。リアルな感じ増すから止めて」 唯一もらえたチョコが小春からのって… いや、贅沢言うんは駄目や。 白石みたいにロッカー、下駄箱、カバン、机にチョコが詰め込まれてたいとか思ったらあかん。 白石がチョコをたくさんもらえる運命にあるなら、俺は全然もらえん運命なんや。 俺には俺の運命っちゅーのがあるはずやから、それにはちゃんと従わなな。 うん。そう思ったらなんかすごい楽なった。 この際、バレンタインなんてないもんやと思うたらええ話やし! 頑張れ俺…今日は何の変哲もない平日やで! 「あの…小石川さんですよね?」 「え、はい…」 「ここここれ!よかったらもらってください!!」 「えぇ、え!? あ、ちょお待って…こ……れ…チョコ!?」 初めましてチョコ 120216 |