『あー…まあそういう訳じゃ。
おう、よろしく頼む。あ、それと……』



この紳士で有名な柳生比呂士、ただ今とってもいけないことをしています。


最近どうもダブルスのパートナーである仁王くん(私のこここ恋人)が何やら怪しげな行動ばかりしていたので、もしや浮気…!?と思い、意を決して仁王くんが電話している内容をこっそり盗み聞きしているのです。


今のところ愛を囁き合ったりしていらっしゃる様子はなく、なんだか相手の方に頼み事をしている…そんな会話しか聞いていません。
しかもいつになく、腰を低くして頼んでいる仁王くんにやはり私の不安は高まりました。


(思いきって訊ねてみた方が良いのでしょうか…)




「柳生、そんなところで何やっとるん?」


「ひょええー!」


「ぶっ!」



驚き、思わずよろけてしまった私の頭が仁王くんの顎にクリーンヒット。これ、以外と痛いものですね…



「ったー…」


「大丈夫ですか仁王くん!」


「ま、まぁな…」


「あぁ!赤くなっているじゃありませんか!どなたか、救急車を!早急にきゅ、救急車を!」


「大袈裟ナリ。落ち着きんしゃい柳生」


「これが落ち着いていられますか!大切な仁王くんに…ああ、比呂士もう生きていけません!」


「柳生キモい」


「!…そんな仁王くんも私は受け入れます」


「受け入れんでいい!それに俺とお前はダブルスのパートナー止まりじゃ。付き合うとかあり得ん」

「またそんな意地悪を…」


「意地悪じゃなか!本当のことじゃき、読んでくださっとる人に勘違いさせる様な言い方はせんでくれ」


「あ、そういえば仁王くん」


「スルー!!?」


「最近何をなさっているんです?比呂士とっても気になります」


「おまん結構、躊躇うっちゅー言葉を知らんな。

…まぁ柳生じゃき、言うてもええか」


なんだか失礼なことを言われた気もしましたが、いってくださる様なのでこの際聞かなかったことにします。


「実はな、幸村が他の学校のテニス部を回るとか言い出してな。色々と各学校の部長に手配しとったんじゃ」


「なるほど…それでよく電話を」


「あ…あぁ……(何で知っとるんじゃ)」


「でしたら私にもおっしゃってたくだされば良かったのに!
いくらでも協力しましたよ!

まったく…心配したんですからね。
仁王くんが私に隠れてううう浮気などと、破廉恥なことをしているのではと…」


「頼むから照れながら言うのは止めてくれんかの。
あとやっぱおまん病院行った方がいいぜよ。救急車必要なの確実にお前さんの方じゃ!」


「ハッ…!そうでした、比呂士ってばうっかり忘れていました!

どなたか、救急車を!仁王くんが死んでしまいます!」


「頼むからお前が死んでくれ!!」






重症立海




111123


重症なのは柳生でした。




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