何日ぶりか学校に行ったら、教室の扉の左右に腕を組んで仁王立ちしている白石と謙也に会った。
久々に会ったので笑って挨拶したら、二人が同時に腕を片方ずつ掴まれ、部室まで連行された。何事かと思って何度も二人の顔を見てみたら……とてつもなく怒っていることが判明。
「なして白石も謙也もそげな怖い顔しとっと」
「あぁ゛?」
「白石キャラが崩壊しとるで」
「せやかて、なんぼ俺がイケメンで優しくてエクスタシーな男でも我慢の限界っちゅー話や」
こんなすごい顔をした白石を拝める日が来るとは思ってもいなかった。とにかく俺は何が原因で怒られているのかさっぱりだ。
謙也をチラッと見たら、口元にご飯粒がついていたので思わず笑ったら頭を叩かれてしまった。 地味に痛かったので頭を押さえていたら、本題に入ろかと白石が何故か俺を叩いた。いや、なして!?
「あー…で、俺何ばしよったん?」
「何ばしよったんって…お前といえばアレしかないやろ」
「アレ?」
「放浪癖や、放浪癖!!」
「千歳の放浪癖は裸の大将もビックリやで」
「え〜でも気づいたら知らん所に着いとっと」
「気づけや、アホ! あんなぁ…お前の放浪癖のせいで俺らが困ってんの、知らへんやろ?」
こちらを睨みながらそう言い放った白石に、俺は納得した。
確かに今まで俺がいないことで部員にどれほど迷惑をかけたかなんて、一度も考えたことなかったし。
「すまんばい」
「謝るんはいくらでも出来るやろ」
「せやからなあ、約束してや…今日から学校にも部活にも出るって」
「イヤ」
「「何でやねん!!」」
「だって放浪ば楽しいっちゃ」
「お前のわがままで俺たちが引き下がるとでも!?」
「じゃあ、誰かすっと俺んこつ見張っとらにゃいかんばい」
「自分で何とかせえや」
「無理無理。できとったら今頃皆勤賞もらっとうよ」
ニコニコしながらそう答えたら、白石も謙也も一緒に溜め息を吐いた。
「ほなこつ、仲良かねぇ」
「「うっさいわ!…あ」」
顔を見合わせた二人の隙を見て、俺は部室からダッシュで抜け出した。
「すまんばいー!夕方からドラマの再放送やけん、一旦戻るたい!」
「ちょ、千歳この野郎!!」
やっぱり俺は、一人でフラフラしているのがお似合いだ。
だから二人には悪いけどこれからも放浪癖は直らんばい。
120609
いつになくめちゃくちゃな文でごめんなさい! 千歳がすき。
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