「白石の誕生日っていつ?」
「…今日です」
「ふーん…祝ってほしい?」
「まあそれなりには…」
「じゃあお願いしてみなよ、この変態が」
「あ!の!何のSMなんかなこれ!?」
4月14日、それは年に一度のエクスタシーな日。この俺、白石蔵ノ介が産声をあげた日。(別に第一声がエクスタシーやったとか、そういうことはないからな!)
そんな俺にとってめでたい日に立海のプリガムゴット基、仁王くんと丸井くんと幸村くん…あと無理矢理っぽいけど跡部くんが家まで来た。
「悪いな白石。タダで飯食わしてくれんだろ?お前気前いいな!」
「エクスタシーの発音、ちゃんとしたの教えてもらわな気が済まんけんの…よろしく頼むぜよ」
「俺は昨日部活帰りにコイツらに拉致られて来ただけだからな」
お前ら…おめでとうの一言くらいくれてもええやん!泣くぞ!
「それぞれここに来た理由は違うけど、ちゃんと祝ってあげるから泣くなら嬉し泣きでシクヨロ」
「…うん」
「じゃ、ちょっとお宅のキッチン借りま〜す。危ないから跡部は座ってて。あと仁王こっちおいで」
「嫌じゃ…絶対行かん!」
良いよ!なんか言ってもないのに幸村くんが勝手にうちのキッチンで道具を出して料理を始めようとしている。
そんな一連の動作を見た仁王くんが呼んでもそっちに行かないのは、きっとこちらへ向けられた包丁が原因やで幸村くん。
「ほら、何震えてるの?全然寒くないのに」
「寒いわ!寒気全開じゃ!とにかくその包丁を置きんしゃい!」
「あれ、もしかして怖いの?お前何歳?ぶはっ!」
「違う、幸村が持つと包丁が殺人の道具にイリュージョンするナリ!」
「もう言ってる意味分かんないよお前…いいや、ブン太。こっちおいで」
「ん?俺?」
「そうそう」
「いいけど…って、おい。仁王手ぇ離せよ」
「ダメじゃ!今、今幸村んとこ行ってしもうたらブンちゃんが夕飯に…!」
「殴るぞてめぇ!」
「殴ってもいいから、頼むから向こうに行かんでえええ!!!」
何 だ こ れ !
ソファに座ってる跡部くんに紅茶を淹れ、俺も隣に座り立海3人の様子を見ていた。
跡部くんはつまらなさそうに「フン…」なんて言ってたけど、こんなん爆笑モンやで!!!
あの立海がコントしているなんて…ユウジあたり呼べばよかった。
あんな必死な仁王くんは初めて見た…けど、いつもあんな顔ざらにしているのだろうか。 あんな情けない仁王くんを見て一番に喜びそうな幸村くんがすっごい普通。 寧ろ、冷静に北京ダックを…北京ダック!!?どっから出てきたんや!うちの冷蔵庫にそないな食べ物…
「慌てんな。俺様が用意した」
「あ、跡部くん…!おおきに…」
そんなに俺は慌てていたらしく、跡部くんに宥められてしまった。 ていうか北京ダック無償で…
何や、ソファに座っとるだけやのにキラッキラしとる…たくましゅうなったな跡部くん!
「おい、全部声に出てんぞ…」
「こりゃ失敬」
120414
続く
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