「仁王、昼食おうぜー」
「おー…今日は天気良いから屋上でも行くか?」
この会話からじゃ分かりにくいかもしれないけど、俺は仁王と付き合っている。
男同士だろって?
この世界でそんな質問野暮ってーだろい。
とにかく俺たちが恋人同士だってことは立海の奴らもみんなそれを知っている。
「…やっぱ今日も誰もいねーな」
「あいつら気ぃ使いすぎじゃ」
「でもラッキーじゃん、くっついててもジロジロ見られることないし」
屋上まで来てみれば、人は全くいない。こんなことはしょっちゅうあるから、もう慣れたけど。
知っているからこそ、みんな俺たちの邪魔をしないように行く場所行く場所、二人きりにしてくれる。 だから仁王とベタベタしたい俺からしたら助かることこの上ない。
「あ〜、それにしても今日あったけー!」
なんて叫びながらどすん!と隣にいるチョロ毛に抱きつくと、突然のことでバランスを崩しながらもしっかりと支えてくれる。
…仁王かっこよすぎるだろい!
(そういう優しさに毎度ときめいてるのは秘密。)
「はぁ…今日もハラハラしたぜよ。お前さん本当毎日急に抱きついてきよるな…。ちょっとは手加減しんしゃい」
「はーい……なんて言うと思ったか。 仁王が俺もろとも倒れるのが楽しみすぎて手加減なんてできねぇっての」
「だったらせめて、これ以上太りなさんな。そろそろ俺の腰が悲鳴をあげるナリ」
嫌みっぽく言ってくるけど今まで一度も共倒れになったことなんてない。
この前だって腰が後ろにめっちゃまがってんのに踏ん張って持ち直してたし。
やっぱこいつ、さりげなくかっこいいよな……ん?
「隙あり!」
「ひゃ!」
なんて染々と考えていたら背中に回されていた仁王の手が俺の脇腹をぷにっとつまんだ。
おい、変な声出ちゃったじゃん!恥ずかし…!
キッと見上げたら悪い顔で笑っていた。
「ほう…ブン太は脇腹でも感じるんか」
「違うってのアホ仁王」
「アホとは侵害じゃな…ブタ」
「なっ…言ったなてめぇ!おりゃ!」
「うっ…」
さっきのお返しのつもりで今度は仁王の脇腹をつまんだら急にうずくまり始めた。…え?そんな強くやってねぇんだけど。
ちょっと心配になり、顔を除き込む。
「おい仁王、大丈夫かよおおお!?」
肩に手をおいた途端、思いっきり押されて屋上の床に背中を打った。
「いってぇ〜。おい、にお…!」
「何?」
瞬時につむっていた目を開ければそこには、鼻がぶつかりそうな距離まで近づいた仁王の顔があった
「いや、何じゃなくて」
「キスしちゃ、ダメか?」
「……っ、ダメじゃないです」
あー、もう。騙された上に押し倒されて怒りもせずに何でキス許しちゃうかな…。
やっぱコイツには敵わない。
ちゅっ
なんて可愛らしいリップ音と共にいつもより温かい唇の感触を感じた。
(おまけ)
「………仁王くん」
「柳生、盗み見るなんて紳士として失格ぜよ」
「えぇ!?比呂士、いやこれはその…!」
「いえ、いいんです、私は。 問題なのはそんな貴殿方の姿を嬉々として撮影していった幸村くんです」
「「あいつ…!」」
120329
海月さんへ、相互記念としてニオブンを書かせていただきました。 そこまでいちゃついてなくて大変申し訳ないです…><
ニオブン好きなんで楽しく書かせてもらったのに、詰め込めなくてすみませんでしたあああ(泣)
こんなgdgd感満載ですが、これからもどうぞよろしくお願いします
相互ありがとうございました(^O^)
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