会いたくなったら(リョ金)
※"その距離、測定不能"の続き
「何や、侑士…うちのがすごいで!
電話越しやから伝わらんのが残念や!」
謙也はよく、ケータイで東京におる"いとこ"の侑士に電話しとる。
今日も電話しとる。昨日も、一昨日も。
あないに電話しとるのは、ほんまは二人とも会えんで寂しいからやって、前に白石が言うとった。
わいも、コシマエに会えんで寂しいなぁ…って思う。
思うけど、謙也みたいに電話なんてできんし、多分そんなに話すこともない。
せやけど、声が聞きたい。
時々そう思っては、胸の奥がきゅうっとして、ほっぺがじーんとする。
コシマエ、今何やっとるんかな。
わいと同じこと、思ってくれとったらええのに……
「好きって、こんな気持ちなんか」
東京に繋がっている空を眺めては、ぼんやりと自分の気持ちに気づいていった。
会いたくなったら
(空を見て君を想うよ。)
120319
今回は金ちゃん目線です。
ズババッと、ビビビッとくるような恋愛ではなく、しっとり感を出したかった…
出せなかった…
← →