俺は自分に似合わない衣服などないと自負している。
ていうか、俺に似合わないものなんてない。
もしあるならそれは衣服じゃない。
「そこまで言うなら、袴はどうじゃ?」
この白か銀かよく分からない髪の色をした一応、中学生である仁王(俺の可愛い恋人)が珍しく俺に好戦的だ。 よし、相手になってやろう。可愛い奴め。
「袴なんて何度も着たことあるからもう実証済み」
「え、自分で判断するん?」
「じゃあ他に誰が判断するんだい?」
「おらんな……あ、ウェディングドレスは?これはまさかじゃろ」
「嫌だけど女装すればそこら辺の女子よりか似合う」
「じゃあ民族衣装」
「もちろん、王様が着るような衣装だろうから…まあ何とかなる」
「(王様の衣装限定か) あぁ!じゃあスーツは?」
いきなり閃いた様に言い出した仁王の言葉に動きが止まった。
「スーツ……スーツは考えたことなかったな…」
そういえばスーツはどうなんだろう。 全国制覇した時、祝勝会で何故か畏まってスーツ着たことはあるけど、その時の周りの反応なんていちいち覚えてないしなあ。
第一、仁王は面倒くさいからってサボったし。
まあ何となく似合ってたかな。
「スーツだって似合「似合っとらんかった」
……え?
「あん時、俺もスーツ着たお前さん見とったんじゃ。だからわかる。あれは似合っとらんかった!」
「仁王、お前…」
「ななな何じゃ!暴力反対ナリ!ドメスティックなバイオレンスはダメじゃ!うおおっ」
ジリジリと逃げていく仁王の腕を引っ張り、抱き寄せた。
「ねぇ…もしかして、俺のスーツ姿見たさに祝勝会来てたの?」
耳元で囁けばビクッと跳ねるその仕草は、当たりってことかな?
「別に…幸村の似合わんスーツ姿を笑ってやろうと思って行っただけじゃ。勘違いは恥ずかしいぜよ」
その赤い顔を背けたって、背中に回るお前の腕が"嘘だ"って言ってるんだけど?
クスリと笑ってから、痛いくらい抱きついてくる仁王に負けじと俺も抱き締める力を強くしていった。
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遅くなってごめんなさいやまめさん! 終わり方が激しく微妙になってしまった…
スーツで幸仁! どうですか!クソですか!すみません!
むちゃぶり幸仁パート2ありがとうございました(^^)/
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