ずっと(春ユウ)







ほんまは嬉しいんよ?



ユウくんが好きって言ってくれて、笑ってくれて、うちのこと考えてくれて。


幸せやわ。



けどな、ユウくんがほんまに好きなんのはきっとうちやない。


もっともっと、可愛い女の子や。


せやからな




もう、止めにしようや。





「…小春は、俺のこと好きやないんか?」


「ユウくんのことは友達としては文句なしで好きや」



ある日の昼休み。

いつもはこの屋上でネタを考えたりしているはずやけど、今日は違う。



「せやったら、何で…何で『好きでいるな』なんて言うんや」


「好きでいてくれるんは、嬉しい。
けど、それだけじゃダメなんよ」

「俺はまだガキやから、小春みたいに大人みたいな考えなんてできん。

好きや、好きなんや…!」



「好きなだけじゃ、ダメなこともあるの」



うちはね、ユウくんが想ってくれとる以上にユウくんを想っとるよ。


けどな、やっぱりずっと一緒になんて居れんのや。ずっとなんて、この世界で通用せん。

だから気持ちが大きくなりすぎる前に、境界線を作らなアカン。


いつかの"別れ"が少しでも辛くないように…



「好きなだけじゃダメて、そんなん俺どないしたらええか分からんわ!」


「せやから言うとるやろ。好きじゃなくなれば解決やって」


「そんなん、違う…小春のことがただ好きなんや。何で、アカンの?

両想いにもなれん上に、好きですらいさせてくれんの?」



とうとう目に涙を浮かべたユウくんは、うちに泣き顔を見せんように屋上から出て行った。



(ほんま、笑ったり泣いたり怒ったり…感情の起伏が激しい子やな)


ユウくんのその、眩しいくらいの純粋さは、いかに自分が汚れているのかを教えてくれる。


こうやってユウくんを傷つけてまで自分が傷つくん、避けとるうちのズルッコさも、全部全部全部


ユウくんが教えてくれる。



もう、男の自分に『好き』って言ってくれる君を見てるのが苦しくて仕方ないんや





傷つけて、傷つくなら、せめてこんな自分のことを『嫌い』と言ってほしかった。




そうすればきっと、一番の相方であり親友でおれたんやろうな。







111108


暗いの書きたかったのかな…



にしてもこの二人をチョイスした自分乙

仲良しこよしな二人のほうがすきなはずなんだけどねぇ…










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