SSR(白石と小石川)







「俺ずっと思うとったんやけどな」




来週の練習試合のことで打ち合わせをしていたら、急に白石が真剣な顔をして俺にそう告げてきた。


「えっと、何を…?」


「多分みんな同じこと考えてたと、部長の俺としては思っててん」

「んんん?」


イマイチ白石についていけない。

何?何なん!?


めっっっちゃ気になるんやけど。









「小石川はな、もっと表に出るべきやーー!!!」






………………




「はあああ!!?」








こうして俺は、何故か目立つための特訓が始まったのだった。







「まず、小石川って名前がアカンのや」


「お前それは俺に生まれ変わってこい言うとるんか?」


「ちゃうわ!
せやからな、もっとインパクトのある名字にちょこっと変えんねや。

スモール ストーン リバー健二郎とか」


「それただ単に一文字ずつ英語にしただけやないか!」


「長いからSSR健二郎とかでも良えなぁ」


「よくない!全然よくないわ!アホ!」


「気に入らんかった?
なら……しゃーないわ。

じゃあお前今日から白石って名乗っても良えで」



「なんでそうなるん?何がどうなったらそうなったんや?」


「じゃあもう、石って付いてるから白石でもいっかって思って」


「自分から言い出した割りにはもう飽きとるやろ。怒らんから言うてみ?飽きとるって」


「飽きてません!」


「もう!素直に飽きてるって言ってれば終わってるからこの話!!」


「うーん…なら、もっとみんなの記憶に残るような自己紹介考えようや」


「いや、俺もういいから。間に合ってるからほんま来週の話しようや」


「嫌や!」


「金太郎か!」


「金ちゃんと違うし!

あ、俺なお前の為に考えたんやった」


「お前自己紹介になった途端やる気満々やな」


「はい。じゃあ小石川になりきって自己紹介しまーす!
ほな、いっくでー!







オッス!オラ健二郎!
四天宝寺中の3年4組、因みに出席番号は10番や!

誕生日は2月3日の水瓶座で血液型は四天宝寺じゃあ貴重と唱われるO型!

好きな食べ物はパセリ、趣味はボーリング!
好みのタイプは真面目な子!


ただ今絶賛、美化委員募集中やで!
気軽に話しかけてな!






……どや!」



「……いや、どや!言われても、それ俺の数少ない40.5巻のプロフィール全部言っただけやん。寧ろそれしかないやん。
俺にもおこづかい使用例とかの欄がほしかったわ」


「健二郎、パセリ好きな奴は40.5巻のどこを探しても居らへんのや…!
つまりはお前だけ…そう、オンリーワンなんや小石川!!」


「俺知っとるで。この前俺がパセリ好きって知って白石が爆笑しとったん、俺知ってるからな」


「まあ落ち着いて小石川くん。
俺はな、お前が本誌で活躍する日を待ち望んどるから。
エクスタワカメがあるなら、エクスタパセリがあっても良えって俺は思うとるから」


「エクスタパセリって何なん?もう訳分からんくなってきたわ…疲れた…」


「とりあえず俺は小石川のこと、本誌で待っとるからな」


「……うん。ありがとう白石」





さて、来週の練習試合でのD2はエクスタパセリでいこうか。






111029




白石に振り回される健坊がどうしても書きたかったんです…!










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