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「好きやっち言うとろうがー」 「無理だ。適当さが伝わってくる」 「101回目のプロポーズなんか目じゃないほど告白しとるんに、なして通じんの?」 好きだ好きだ、何回言ったらコイツは飽きるんだろうか。 俺は知っている。 俺が今、仁王からの告白にYESと返事をしたところで、二人とも幸せになれないということを。 将来必ず、俺と一緒にいることを後悔する日がくる。 常識的に考えれば、男同士の恋愛をすんなり受け入れてくれるような社会ではないことぐらい、いくらアホな仁王だってわかるだろう。 それなのに、何故お前は俺を求め続ける? 俺がどんな気持ちで断っているのかわからないのか。 「好きじゃない。もう、止めてくれないか」 絞り出した声が震える。 お願いだから、これ以上哀しい思いはしたくないんだ。 お前に好きだと言われる度に、柄にもなく心が揺れる。 「…好きだなんて、簡単に言うな」 「参謀、」 「もっと、本気で好きになった相手に言ってやれ」 「ちょ、参謀!」 足早に仁王の元から去っていく。 (…俺も、仁王が好きだと言いたいんだ。 言って、嬉しそうに笑ってほしいんだ) 誰もいないところで、何にも縛られない世界で、二人でいれるなら俺は喜んでお前の告白に答えるのに。 誤魔化す (俺とお前だけの世界に連れていってくれ) 120714 |