![]() | |
金ちゃんからの申し出により、俺は彼と試合をすることになった。 技術はどうであれ、力の差がハンパないから勝てたことは一度もない。 「よっしゃあ!また白石に勝ってもうた!」 「はあ〜ホンマ、その威力どないなっとんねん」 案の定、今回もまた負けた。 けど金ちゃんとの試合は純粋にテニスを楽しめるから俺は好きだ。 はあはあと息を整えていたら不意に金ちゃんのタンクトップが目に入った。 「金ちゃん……」 「なに?」 「タンクトップ、めっちゃ破れとるで」 「げ!ホンマやー!」 俺の言葉でタンクトップに目をやった金ちゃんが叫ぶ。 まあ叫ぶのも無理はない。結構破けている。 「…どないしよう、白石ぃ。オカンに怒られる!」 「しゃあないな〜」 泣きそうになる金ちゃんに苦笑いした。 「うおお!白石凄いなあ!」 身を乗り出してまでタンクトップを縫っている俺の手元を覗いてくる。 「当たり前や。裁縫までも完璧やなんて…全く俺っちゅー男は、んんー、エクスタシー!!…いっ」 「し、白石大丈夫か?」 いつもの台詞を言ったら思ったより動作が激しかったらしく、針が指に刺さった。 血がぷくっと出てきたと同時に金ちゃんに手を捕まれ、ペロッと舐められた。 「ちょお!金ちゃん何やってんねん!」 「せやかて血!血が!」 「落ち着きぃや。大丈夫やこんくらい」 「大丈夫やないわ!ワイの白石が血ぃ出しとんのに!」 ……きゅん。 え、え…金ちゃん、そういうのは反則やで!!! 舐める (美味しくもないのに) 120710 |