恋する動詞111題 | ナノ

29.抱きしめる(ブン赤)




たまに、どうしようもなく人の温かさを感じたくなるときがある。

飯食ってる時、テニスしてる時、部屋でゴロゴロしてる時。

色んな場面で不意にそんなことを思って、真っ先に抱き締めたいのは何故かいつも赤也だった。


小さい子って体温高いから、よくうちのチビをぎゅうって抱き締めると気持ち良くて、その癖で真ん中の弟もよく抱き締めて嫌がられる。


多分、アイツも弟たちみたいな感覚で抱き締めたくなるんだ。


その度にそう思ってたから、頭に浮かぶ赤也に何の違和感も覚えていなかった。



そう、そんな単純明快な理由だとばかり思い込んでいた。



「ちょっと先輩…何してんすか?」

「…言わなきゃわかんねー?」


実際に赤也を抱き締めてみてやっと気づいた。



「俺、全身でお前が好きだ!って伝えてんだけど」

「なっ!」

「もちろん俺のモンになるよなぁ、赤也?」



ま、ダメって言っても聞かねぇけど。




抱きしめる

(伝わる鼓動の早さが答え?)



120224


ブンちゃん、なんだか危ない子になるの巻。



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