29.抱きしめる(ブン赤) | |
たまに、どうしようもなく人の温かさを感じたくなるときがある。 飯食ってる時、テニスしてる時、部屋でゴロゴロしてる時。 色んな場面で不意にそんなことを思って、真っ先に抱き締めたいのは何故かいつも赤也だった。 小さい子って体温高いから、よくうちのチビをぎゅうって抱き締めると気持ち良くて、その癖で真ん中の弟もよく抱き締めて嫌がられる。 多分、アイツも弟たちみたいな感覚で抱き締めたくなるんだ。 その度にそう思ってたから、頭に浮かぶ赤也に何の違和感も覚えていなかった。 そう、そんな単純明快な理由だとばかり思い込んでいた。 「ちょっと先輩…何してんすか?」 「…言わなきゃわかんねー?」 実際に赤也を抱き締めてみてやっと気づいた。 「俺、全身でお前が好きだ!って伝えてんだけど」 「なっ!」 「もちろん俺のモンになるよなぁ、赤也?」 ま、ダメって言っても聞かねぇけど。 抱きしめる (伝わる鼓動の早さが答え?) 120224 ブンちゃん、なんだか危ない子になるの巻。 |