24.出会う(日岳) | |
あの日、まだ幼さを残していたが、忍足さんとの試合で勝利を我が物にした跡部さん。 そんな彼を見た時から心に誓った下剋上を果たす為、俺は今日この氷帝テニス部に入部した。 まずは彼らと同学年でそこそこ名の知れている"向日さん"という人から下剋上だ。 「すみません」 「ん?お前見ない顔だな。新入りか?」 「はい、一年の日吉です。よろしくお願いします。あと向日さんって方はどちらかご存じですか?」 「え、俺だけど」 え゛…こんな小さい人が向日さんだと…!? 「おい日吉、お前顔に出てんぞ」 「は…っ!すみません」 「頼むからすみませんって顔をしてくれ」 俺より小さくて細いこの人が…なんかショックだ。 「ん?日吉…日吉、ってまさか日吉若か?」 「はい…って、俺のこと知ってるんですか?」 不思議そうに彼を見る。何も言わずに顔をある方向へ向けたので、視線の先を追うとそこには後輩に指導をする跡部部長の姿があった。 「アイツがな、お前のこと気に入ってんだよ。だから色々と調査てたみたいだぜ」 「気に入る?」 「これからわかると思うぜ。…ま、頑張れよ日吉」 よく分からないまま頑張れと、俺の肩を叩いてニカッと笑う向日さんに、何故か心臓が跳ねた。 何だこれ。 触られた部分がやけに熱い。 鼓動が速くなっていく。 彼のあの笑顔が、頭から離れてくれない。 下剋上はとりあえず、後回しにして向日さんを知ることから始めよう。 出会う (暫くその場から動けなかったなんて、俺らしくない) 120112 この後、stk日吉が誕生する。(予定) |