10.惚れる(財謙) | |
「はぁ〜…」 「何や財前、溜め息なんかつきよって」 「誰のせいやと思うとるんですか」 「いやな、俺やとは薄々勘づいとったけどな。 そないにストレートに言われるとは…」 「ストレートに言わな、伝わらんこともあるやん?」 「あれ、何でタメ口?何でなんや財前んんん!」 うるさいし、声でかいし、なんかうるさいし。 良いとこなんて一つもないのに、何でかこの人からは離れようとは思わない。 挙げ句は仲の良い部長と話してる姿を見ただけでムカムカして…… 気づいたら好きになっていた。 それはもう、どうしようもないくらいに。 「せやから、」 「ん?」 「好きです、謙也くん」 惚れる (バカみたいだけど本当に好きだよ。) 111031 財前は謙也くんがバカみたいに好きなんだろうな… |