7.想う(赤也) | |
※赤也→先輩の誰か。 ブンちゃんがただの良い奴。 「好きだな…って、思ったんすよ」 「おう、それで?」 「それだけっす」 「じゃあ別に問題ないんじゃねぇの?」 「いや、でも男なんですよ」 「それさっきも聞いた。 だからよ、別に好きなら性別関係ないだろぃ」 「なんで丸井先輩そんな落ち着いてんすか?」 「俺別にそういうのに偏見ねぇし、赤也が好きになった奴をどうこう言う資格ない」 「…俺、先輩のこと好きになってもいいっすか?」 「それはやめてください」 昼休み、俺は購買で丸井先輩を捕まえて恋愛相談をしていた。 先輩は誰よりも話しを聞いてくれるから、おれは結構リスペクトしている。 けど、まさか男を好きになった俺に引きもせずこうも普通に接してくれるなんて、なんか神様に見える。 「俺、自信持って好きでいていいんですよね…?」 「だーかーらー!お前が好きならそれで良いの、解決! じゃ、俺教室戻って仁王の生存確認してくるわ」 「あ、はい。ありがとうございました!」 丸井先輩って、三年の先輩の中で一番子供っぽいけど、俺のどんな話しも一番聞いてくれる。 俺なんかの話しを、先輩は適当にあしらって聞いてくれやしないのに。 「俺も、あんな先輩になろう」 ありがとう丸井先輩。 俺、精一杯好きでいる。 好きだっていつか伝える。 フラれても嫌われても、丸井先輩に話し聞いてもらいますからね。 「赤也」 ふいに後ろから聞こえた、大好きな先輩の声に心臓が跳ねた。 大丈夫、落ち着け。 「なんすか先輩!」 やっと、溢れそうなこの想いのストッパーを外したんだから、もう遠慮しない。我慢しない。 誰よりも好きだから。 想う (振り向けば大好きな貴方がいた) 111021 |