5.望む(忍跡) | |
「なぁ、俺たち付き合わへん?」 「……眼鏡の度、あってるか?」 「何や、俺が景ちゃん間違える訳ないやろ。ってかこれ伊達眼鏡やし。実は目ぇ良いし」 「やっぱりそれは、俺に言ったのか…」 何だこいつ。出会ったときから頭がおかしいとは思っていたが、とうとう見境もなくなってきたか。 とりあえず目を覚まさせるために肩パンをしてやった。 最近ストレス溜まってたから結構な勢いだった。 「…おい、目ぇ覚めたか?」 「け、景ちゃん…」 「アーン?まだ何かあんのか」 「景ちゃん、俺……」 「礼には及ばねぇよ。早く教室に帰れ、忍た」 さっきまでぽかんとしていた忍足が急に抱き締めてきた。 ちょっと待て。ここ廊下だぞ。 「景ちゃん」 「んだよ、離しやがれ気持ち悪ぃ」 「好きや。肩パン本気でされても、痛くても嬉しいって思うくらい好きや」 「しっかりしろ忍足。それはお前がドMなだけだ。痛め付けられたいなら日吉のとこにいけ」 「嫌や、景ちゃんやないと嫌」 「どこのガキだテメェは」 「好き」 「何回もうるせぇな、分かったから離せ。授業に遅れる」 「…お、おぉ。堪忍な」 「テメェどうしたんだよ。今日おかしいぞ?」 何か今日は、違う。 俺の知らない忍足がいる。 そして、そんな忍足を少し怖いと思ったなんて、そんなの気のせいだと自分に言い聞かせた。 なぁ忍足、俺はいつものバカみたいにヘラヘラしてるお前しか知らねぇんだ。 「忍足の分際で、俺様をこんな気持ちにさせてんじゃねーよ」 」 望む (いつもの君でなきゃ不安で仕方ない) 111017 忍足が若干好きな跡部と、それに全く気づいていない跡部溺愛忍足。 忍足が気持ち悪くてごめんなさい… |