2.追いかける(鳳宍) | |
自分よりも小さな背中に少しでも追いつきたかった。 それは純粋に好きだからではなく、一人の先輩として、人間として。 彼の姿は自分には眩しすぎて見えない。 一生懸命追いかけてもすぐ先に行ってしまう。 そして、追いつけるその時を何度も夢見ながらまた彼の背中を追いかける。 でも、ある日気がついた。 この人は今までに一度だってテニス以外の感情を、俺にぶつけてきたことはあっただろうか。 自分の記憶をどこまでも辿ったって、そんな事実は見つからない。 ───そんなの嫌だ。 心の片隅で自分の叫ぶ声がした。 「結局俺は、あなたにこっちを向いてほしいだけなんです」 我が儘でごめんなさい。 でも、俺少しでも先輩の心に残っていたいから。 追いかける (辿り着けるその日まで) 111010 宍戸さん好きでいていいのかな、大丈夫かな、と心配する鳳。 ちょっと病んでるか、ボケ倒してるかぐらいが書きやすい子です。 |