89.焼き付ける(白小) | |
「健ちゃーーん!!」 「小石川さん」 「…そないに引っ張られるとシャツが伸びるわ」 イライライライラ。 どうもみなさん、おはようからおやすみまでアナタと一緒にんー、エクスタシー!…な白石蔵ノ介です。 そんな今をときめく爽やか絶頂系男子のこの俺が、何故イライラしているかと言いますと。 さっきから(俺の)小石川に(無自覚天然)後輩らが群がりすぎているからです。 まぁ俺と小石川は付き合ってるから別にどうってことないけどね! 「こらー、金ちゃんに財前。もう練習始まっとるで」 「「げっ」」 「げって何や、げって!毒手出すぞコラ」 若干眉間に皺を寄せながら後輩二人に注意をし、練習に向かったのを確認してからコソコソと部室に入ろうとしていた小石川を捕まえた。 「さて、次は小石川の番やな!」 「白石笑顔が爽やかすぎて怖い」 「何で今日部活に遅れたん?なぁ、俺にこっそり教えてや」 怯える小石川がちょっと可愛くてキュンとしてしまった俺の心臓のバカ。 それでも怒ってますよオーラを放出しつつ、笑顔で問いただす。 「あ、あんなぁ白石…その…」 「?」 顔を赤くして何故かそっぽを向かれてしまった。 えー…、俺なんかしました? 「俺、さっき初めて…女子に告白されたんや」 「…………え?」 「ほ、ほら!俺、告白されたん白石が初めてで…。俺らの関係はみんな知っとるから、もう望みはない思うとったんやけど」 つらつらと話す小石川の言葉が頭に全く入ってこない。 今、コイツ何て言った? 女子に告白されたって……? その言葉がもう一度俺の脳を過った瞬間、カァッとなって何も考えず小石川の首筋に吸い付いた。 「いたたたたた!おい、白石!いたい!」 「……っ、痛いくらいが調度ええんや!」 そう言い放った後、急に自分がしてしまったことが恥ずかしくなり、ダッシュで小石川から逃げた。 焼き付ける (俺のや!って、子供みたいに) 130120 |