恋する動詞111題 | ナノ

74.飽きる(謙小)

「毎日毎日…、正直飽きた」

「えー、せやかて俺は好きやで?」


「お前が好きなモンを俺がもれなく好きになると思ったら大間違いや」

先月、俺はずっと恋焦がれていた小石川に告白をした。
みなさんご存知の通り、小石川は男。だけど、好きになってしまったものは仕方がない、とうちのラブルスに力説され、勇気を出して告白をしたらまさかのOK。…倒れるかと思った。

そんでもって、成り行きで二週間ほど前から小石川の手作り弁当を食べさせてもらうことになった。

俺が想像していた以上に小石川は料理が上手かった。

バランスの考えられたおかずに、ふっくらとしたご飯。そして、何といってもオカンをも凌ぐ味の良さ。もう嫁に来い、小石川。

…とまぁ、初めの方はそんな感じでかなり俺もテンション高めだった。

だけど、小石川の弁当にはひとつだけ、俺が耐えられない食べ物があった。

だいたい予想はつくと思うけど言うときます。

「パセリ、毎日はちょっとなぁ…」

「なんでやねん!」

パセリ大好き人間パセリ川さんから鋭いツッコミをされつつも、パセリ以外のおかずを口に運ぶ。
隣では相も変わらず嬉しそうにパセリをもしゃもしゃ食っている彼の姿。

何の変化もないこに日常が幸せなんだろうとは思うのだけど、やっぱりパセリに染まっている日々っていうのは異常だと思ったスピードスターでした。


飽きる

(パセリに飽きても君には飽きない)



120805


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